Preface最初にお断りしておかなくてはならないのは、 僕はジャズに関してはまったくの素人だということです。 はじめて自分で買ったジャズのレコードが Cannonball Adderley, Somethin' Else のCDだったという 単なるミーハーな奴です。これを買った当時 (1986年ごろ) は、 Blue Note レーベルのCD版復刻が東芝EMIから限定プレスという形で発売されたころで、 人気のあるものからどんどん品薄になっていったらしく、 これを僕がたまたま手に入れていたことで、 ジャズ好きの大学の先輩からずいぶんうらやましがられたものです。 Thelonious Monk の名を知ったのも、1984年に Hal Willner プロデュースで作られた A Tribute to Thelonious Monk というレコードのなかに、 僕が当時ファンだった Joe Jackson が "Round Midnight" で参加していて、 それを聴いたのがきっかけでした。このトリビュート・アルバムは、Donald Fagen や Todd Rundgren なども参加していて、今考えるとなかなかすごいものです。 また、Hal Willner プロデュースものとしては、他に Charles Mingus や Kurt Weill (Elvis Costello, Lou Reed などが参加) に捧げたものがあり、 いずれも大変ユニークです。 その後、1990年あたりからCDを集めはじめました。 Straight, No Chaser という、(あの)クリント・イースドウッド製作の ドキュメンタリー・フィルムがあることは以前から知っていたんですが、 これを入手して観たのはごく最近のことです。マイペースでプライドが高い Monk の 行状はともかく、右手の守備範囲に突然左手親指が割り込んでいく独特の弾き方や、 踏み鳴らしつづける足の動きは、かなり衝撃的でした。 また昨年末になって、ローラン・ド・ウィルドというフランス人による伝記 『セロニアス・モンク: 沈黙のピアニズム』(水野雅司訳、音楽之友社) が出るなど、 個人的に Monk 熱が再燃してきています。 My Favorite AlbumsThelonious Himself(Riverside / ビクター VDJ-1537)
1957年録音のソロ・アルバム ("Monk's Mood" では John Coltrane (tenor sax) と Wilbur Ware (bass) が参加)。 僕が最初に買った Monk のCDです。 前述していたように、Joe Jackson によって流麗なバラードとして演奏された "Round Midnight" を聴いて Monk の名を知った者としては、 この訥々とした演奏は驚きでした。 Monk's Music(Riverside OJCCD-084-2)
こちらはうって変わって7人編成の1957年録音のアルバム。 Monk 節としか言いようのない、"Well You Needn't" や "Epistrophy" がいい。 Brilliant Corners(Riverside OJCCD-026-2)
1956年録音のアルバム。Max Roach (drums)、Sonny Rollins (tenor sax) などが 参加している。とにかく1曲めの "Brilliant Corners" がすごい。 Web Links
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