因幡の源左

(2020-02-27)

妙好人因幡の源左生誕の地、鳥取市青谷町山根を訪ねた。

実は移動途中で帽子をなくし、置き忘れたと思われるところへ引き返したら無事見つかった。そのときはホッとしたのだが、後で、『妙好人因幡の源左』(柳宗悦・衣笠一省編、百華苑、1960年)に「靴と帽子」というエピソードが載っていたことに気づいた。それは、源左が人から贈られた帽子をなくしてしまったとき、「ええ帽子だけえ、拾った者は悦ぶけえなあ。まあよかったいなあ、ええ帽子だったで」と言ってよろこんだ、という話。これを読み返し、帽子を探し出して手元に返ったことをよろこんだ自分の浅ましさを思い知らされる機縁となった。

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