インターネットと宗教
宗教や宗教研究にとっての電子コミュニケーションの可能性について考えてきました。
関連する仕事一覧
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[テーマセッション] 「ウィズ・コロナ、ポスト・コロナの信仰のカタチ」 (黒崎浩行・佐藤壮広・君島彩子・司会:西村明)国際宗教研究所編『現代宗教2021』2021年3月、33-53。 [PDF(application/pdf)]
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[書籍] 『神道文化の現代的役割:地域再生・メディア・災害復興』 弘文堂、2019年12月。 [amazon.co.jp(text/html)]
祭りや伝統芸能など神道文化が果たしうる役割について、地域再生、メディア・コミュニケーション、災害復興の面から、実践のあり方やその担い手の認識に焦点を当てて問う。
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[論文] 「(研究ノート)宗教者災害救援マップの構築過程と今後の課題」 (稲場圭信・黒崎浩行著)『宗教と社会貢献』3巻1号、2013年4月、65-74。 [リポジトリ(text/html)]
東日本大震災における宗教者と宗教研究者との連携による支援のひとつとして取り組んだ、「宗教者災害救援マップ」の構築過程を振り返り、反省点と今後の課題を検討する。
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[口頭発表] "Relief Activities of Religious Organizations." International Conference: Opportunities and Challenges of Participatory Digital Archives: Lessons from the March 11, 2011 Great Eastern Japan Disaster, The Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University, January 24-25, 2013. [スライド(application/pdf)]
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[口頭発表] 「東日本大震災における宗教者の支援活動と研究者の後方支援」 Workshop: New Perspectives in the Study of Japanese Religion: Research from Kokugakuin University、ハーバード大学ライシャワー日本研究所、2013年1月23日。 [スライド(application/pdf)]
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[辞典項目] 「バーチャル宗教」 世界宗教百科事典編集委員会編、井上順孝責任編集『世界宗教百科事典』丸善出版、2012年、786-787。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[論文] 「宗教のインターネット活用が築くソーシャル・キャピタル」 大谷栄一・藤本頼生編『叢書 宗教とソーシャル・キャピタル2 地域社会をつくる宗教』明石書店、2012年12月、264-284。 [amazon.co.jp(text/html)]
宗教によるインターネット活用がソーシャル・キャピタル形成へとつながる可能性について、伝統仏教寺院、神社などの例を参照し、地域社会の包摂性を高める可能性と、地域を越えた個人のつながりを深める可能性を検討する。
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[論文] "Preserving the Dignity of Shinto Shrines in the Age of the Internet: A Social Context Analysis." Japanese Religions on the Internet, E. Baffelli, I. Reader and B. Staemmler (eds.), Routledge, 2010. pp.62-79. [amazon.co.jp(text/html)]
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[論文] 「神社とインターネットの結びつきの深層」 石井研士編『神道はどこへいくか』ぺりかん社、2010年、253-269。 [amazon.co.jp(text/html)]
神社は地域における共同生活の要となる時空間を提供してきたが、これが都市化や情報化により大きく変容しつつある。その変化のなかで神社のインターネット利用をとらえなおし、動的情報の生成、交流という観点からの分析を試みる。
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[辞典項目] 「情報化」 星野英紀・池上良正・氣多雅子・島薗進・鶴岡賀雄編『宗教学事典』丸善、2010年、580-581。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[論文] 「ヴァーチャル参拝のゆくえ」 国際宗教研究所編『現代宗教 2008 特集 メディアが生み出す神々』秋山書店、2008年8月、107-119。 [amazon.co.jp(text/html)]
2006年(平成18年)にマスコミで話題となった「ヴァーチャル参拝」をめぐって、P・レヴィによる「ヴァーチャルなもの」、「ヴァーチャル化」に関する議論を手がかりに、日本の近世から近現代にいたる「参拝のヴァーチャル化」の様相とそのなかでのメディアの役割をたどり、それらが祈願内容の前景化・分節化を促す一方で、かえって実際の身体的行為をも促すという「今ここ」への反転を生じさせるものであったことを指摘する。井上順孝編『リーディングス戦後日本の思想水脈 6 社会の変容と宗教の諸相』(岩波書店、2016年)に再録。
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[研究調査報告] 「インターネットにおける祈りの理解に向けて: 祈りをめぐる二つの志向性」 川端亮(研究代表者)『社会意識研究法としての言説データベースの構築とその利用: 宗教言説を事例として』(研究課題番号17330115)平成17年度〜平成19年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書、2008年3月、69-82。
「宗教とインターネット」研究の新たな方向として、雑多な情報が混淆するコミュニケーション空間における宗教的な志向性の探究を掲げ、そのための手がかりとして、諸宗教に共通する基本的な宗教的行為である「祈り」について、宗教意識調査にもとづく分析を行い、「心の安らぎ志向」と「現世利益志向」という二つの主成分を見いだし、この視座をインターネット上の宗教的コミュニケーションの理解に役立てることを提案した。
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[項目記事] 「「セカンドライフ」の中の仮想宗教の動き」 渡邊直樹責任編集『宗教と現代がわかる本2008』平凡社、2008年3月、200-203。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[辞典項目] 「マクルーハン,マーシャル『メディア論―人間の拡張の諸相』」 島薗進・石井研士・下田正弘・深澤英隆編『宗教学文献事典』弘文堂、2007年、365頁。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[口頭発表] 「インターネット上の宗教情報に対する研究視角」 日本宗教学会第66回学術大会、2007年9月。 [配布資料(application/pdf)]
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[項目記事] 「インターネットの中の宗教: Web 2.0と宗教のゆくえ」 渡邊直樹責任編集『宗教と現代がわかる本2007』平凡社、2007年3月、164-167。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[論文] 「インターネット文化のハイブリッド性と神社神道」 『日本文化と神道』3、2006年12月、59-79。
現代社会における神社神道の現状を研究する上でインターネットに焦点を当てることの有効性を検討した。まず、戦後の社会変動と神社神道との関わりをめぐる研究史においては、文化的領域における神社神道の再構築・再定義の動きの中に位置づけられうるとした。また、神社神道のインターネット利用の現状において、積極的利用と自主規制の間に生じている葛藤を見るさい、インターネット文化のハイブリッド的な性格を押さえる必要を指摘し、その上での利用・発信をメディア・リテラシーの問題の中に位置づけ、教育・研究に組み込む必要性を述べた。
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[口頭発表] "'Prayer' as a focal concept for understanding commonalities among and differences between religions." Internet Research 7.0: Internet Convergences, Association of Internet Researchers, September 29 2006. [スライド(application/pdf)]
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[口頭発表] 「神社神道とインターネット―概観と問題提起」 文部科学省21世紀COEプログラム 國學院大學「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」研究集会「現代社会における神社神道の現状―情報化社会と神社神道」2006年9月9日。
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[口頭発表] Jinja Shinto and the Internet: Jinja Shinto in Social Change and Jinja Websites Panel Session "Religion and ICT in Japan" at the 19th World Congress of the International Association for the History of Religions, March 30, 2005.
神社神道の情報通信技術利用について、ウェブサイトおよび携帯電話サイトの発信者に注目し、現実世界における神社の状況、情報通信技術の活用度、情報通信技術への批判的姿勢という3つの要因のせめぎあいとして分析する。
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[辞典項目] 「インターネットと宗教」、「(コラム)インターネット占い」、「サイバー宗教」 井上順孝編『現代宗教事典』弘文堂、2005年、39-40、46、168-169頁。 [amazon.co.jp(text/html)]
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[論文] 「IT革命と仏教」 藤井正雄編『仏教再生への道すじ』勉誠出版、2004年6月、156-172。 [amazon.co.jp(text/html)]
2000年前後の「IT革命」の喧伝が過ぎ去って以降、日本の仏教界での情報技術利用の取り組みが、どのような転換を必要としているのかについて考察した。仏教界で開催されるシンポジウム等では、先端的な取り組みを推進してきた当事者が、インターネットを利用した寺院・宗派の活性化にはかえって懐疑的な発言をしている。現状の寺院を活性化するための情報技術利用ではなく、まず情報化を含む社会の変化に寺院はどう対応するのか、その取り組みの中に情報技術をどう位置づけるかという発想の転換が必要であり、そのような取り組みの事例を紹介した。
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[研究調査報告] 「(展望) 宗教情報アーカイブARIによる学術成果の社会的共有」 (渡辺光一・川端亮と共著)『宗教と社会』10、2004年6月、93-103。
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[書籍] 井上順孝編『IT時代の宗教を考える』 中外日報社・法蔵館、2003年。(共著) [amazon.co.jp(text/html)]
情報技術の普及浸透が宗教にもたらす変化について、その実態の観察・分析と、倫理・技術面での考察を加えた小論集。実態の分析は、ホームページによる一方向的な発信と、メーリングリスト・掲示板などによる双方向的な交換の両者にまたがり、宗教教団がインターネットを利用するさいの実践的な提言も含まれる。「第4章2 電子認証」(168〜175頁」を担当。電子認証技術についての解説を通じ、その背景にある信頼・信用構築の含意に考察を進めた。
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[論文] 「高度情報化社会における「公共圏」と伝統宗教―神社神道のインターネット利用― 石井研士 (研究代表者)『高度情報化社会と宗教に関する基礎的研究』平成11年度~14年度科学研究費補助金基盤研究(B)(2)研究成果報告書、2003年3月、65-74。
インターネット空間を新たな「公共圏」ととらえる議論があるが、他方、近代社会における私事化に対する伝統宗教の抵抗、公共的空間への再参加という動向も注目されている。この二つの流れを結びつけることは可能か、という視点のもと、神社神道におけるインターネット利用をめぐる次の3つの動きを挙げ、考察を加えた。すなわち、「バーチャル参拝」などの疑似的・遊戯的な利用に対する批判と自主規制、神道やナショナリズムをめぐる公共的な討議空間の形成、地域文化の発信地として神社の再発見の促進、の3点である。
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[研究調査報告] Religious Uses of the Internet in Japan: The Social Context Echoes of Peace 62 (2002): 7-9.
日本宗教のインターネット利用の動向を紹介し、可能性として「個人への対応」、「社会問題に対する声明の積極的発信」、「地域の宗教的コミュニティの再構築」を考察。本号は「宗教とインターネット」特集で、ほかに Lorne L. Dawson、渡辺学、川橋範子、宮家準が寄稿している。
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[口頭発表] 「日本の伝統宗教における地域コミュニティと情報化への対応」 日本宗教学会第60回学術大会、2001年9月。
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[口頭発表] Japanese Traditional Religions and the Internet 2nd International Convention of Asia Scholars、ベルリン、2001年8月。 [発表原稿(application/pdf)]
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[研究調査報告] 「〈最近の宗教動向〉国内の動向: IT活用を模索する宗教界」 『国際宗教研究所ニュースレター』30 (01-1)、2001年4月、5-9。
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[研究調査報告] 「インターネットと宗教に関する欧米の研究動向」 『國學院大學日本文化研究所報』219、2001年3月、4-6。 [全文(text/html)]
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[口頭発表] 「(書評) 吉田純氏著『インターネット空間の社会学』」 「宗教と社会」学会「インターネットと宗教」プロジェクト研究会、2001年3月。 [配布資料(application/pdf)]
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[研究調査報告] 「コンピュータ・ネットワークの普及と宗教的行為の変容に関する調査研究(継続)」 『電気通信普及財団研究調査報告書』15、2001年2月、8-14。(葛西賢太・川島堅二・田村貴紀・深水顕真と共著)
コンピュータ・ネットワークの普及がもたらす宗教的行為の変容について、先行する研究と方法論の検討を通じて研究視角を提示し、さらに事例研究を行った。電子ネットワークの利用が当の宗教にとって本質的なものたりえているのかについての吟味が必要であること、それには、オンライン空間の観察ばかりでなく、担い手・参加者に焦点を当て、その意識・実践に対する面接・質問紙調査などの多角的なアプローチが不可欠であることを示した。
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[論文] 「現代のメディア・コミュニケーションにおける宗教的共同性―キリスト教系メーリングリストの場合―」 大谷栄一・川又俊則・菊池裕生編『構築される信念: 宗教社会学のアクチュアリティを求めて』ハーベスト社、2000年10月、86-109。 [amazon.co.jp(text/html)]
現代のメディア・コミュニケーションは、時間・空間を越えた社会関係の構築を可能にし、さらに時間・空間に限定された状況をも再定義させる。この事態が宗教的な共同性のありかたに及ぼす影響について、キリスト教系のメーリングリストを事例として考察した。そこでは、時間に制約された同時的なコミュニケーションがめざされ、私的な話題が議論を活発化し、現実生活と同等のコミットメントが求められることが観察される。こうした特徴のなかに現実のキリスト教教会に対する批判的なダイナミズムを見ることができるとした。
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[口頭発表] 「電子ネットワーキングと宗教―参加をめぐって―」 日本宗教学会第59回学術大会、2000年9月。 [要約(text/html)]
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[エッセイなど] 「ドメイン名問題からみたインターネット その信頼性のゆらぎ」 『神社新報』2563号、2000年7月24日。
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[口頭発表] 「天理教のインターネット利用について」 「宗教と社会」学会第8回学術大会、2000年6月。(田村貴紀と共同発表)
『電子ネットワーキングの普及と宗教の変容』第10章「天理教のインターネット利用に関する試論」(田村貴紀 の調査結果と新たに行ったオンライングループのアンケート調査をもとにした分析。
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[論文] 「インターネット上の宗教情報の現状: ホームページを中心に」 国際宗教研究所編、井上順孝責任編集『インターネット時代の宗教』新書館、2000年6月、177-194。 [amazon.co.jp(text/html)]
現代社会に生きる私たちは、メディアから信頼できる宗教情報を選び、批判的に分析する能力を身につけることが必要である。そのための準備作業として、日本の宗教団体の公式ホームページを中心に、インターネット上の宗教情報の現状を概観する。数量面では、現実社会の分布との大きな隔たり、個人や末端の組織による非公式な情報発信が先んじたこと、内容面では、全世界よりも国内・地域向け、ハイパーリンクのもつ政治的効果に対する配慮、双方向性への対応がまだ珍しいこと、が指摘できる。あわせて世界の宗教ホームページを概観する。
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[論文] 「日本宗教におけるインターネット利用の社会的文脈」 『國學院大學日本文化研究所紀要』85、2000年3月、579-592。
日本宗教においてインターネットというメディアが置かれている社会的文脈を把握するため、インターネットを積極的に活用する大阪の単立神社と、教派神道教団本部のある神社ウェブサイトの運営者へのインタビュー調査を行った。大阪の単立神社では、地域社会の変動に応じ新たな地域住民と接点をもつための広報媒体としての位置づけが明確であった。教派神道教団本部の神社では、個人に帰結する教化のツールとして位置づけていた。いずれの運営者も宗教活動の源泉をインターネット内に置くことは避けていることを確認した。
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[報告書] 黒崎浩行(編)・葛西賢太・川島堅二・田村貴紀・深水顕真『電子ネットワーキングの普及と宗教の変容』 國學院大學日本文化研究所、2000年3月。(編著) [紹介(text/html)]
インターネットの普及が既存の宗教にもたらす変化と新しい宗教性の形成を探るため、インターネット上のデータの蓄積と参与観察、インタビュー調査、アンケート調査を行った。神社神道、浄土真宗、キリスト教、天理教におけるインターネット利用に対する意識を明らかにし、またその社会的文脈を分析した。メーリングリストなどで表出する新しい宗教性について、宗教学的アプローチの可能性を考察した。
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[研究調査報告] 「コンピュータ・ネットワークの普及と宗教的行為の変容に関する調査研究」 『電気通信普及財団研究調査報告書』14-I、2000年、143-153。(葛西賢太・田村貴紀・深水顕真と共著)
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[口頭発表] 「日本の宗教教団におけるインターネット利用」 日本宗教学会第58回学術大会、1999年9月。 [配布資料(application/pdf)]
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[書評] 「〈書評〉土佐昌樹著『インターネットと宗教』」 『宗教研究』322 (1999): 204-207頁。
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[論文] 「日本宗教のインターネット利用の比較分析に向けて―神社ウェブサイトの場合―」 『國學院大學日本文化研究所紀要』83、1999年3月、421-435。
日本の諸宗教のインターネット利用実態を比較しつつ把握できるように、ウェブサイトを定期的に収集し、その内容について、利用者は何ができるかという実践別の分類を試みた。その上で神社ウェブサイト群に焦点を当て、自己開示型が多く、相談等の相互作用的な利用がほとんどないことを指摘した。今後の課題として、相互作用型の利用実態をつかむことと、インターネットと他の諸コミュニケーション手段との間に教団・信者が設けている境界とその認識枠組を探るべきことを示した。
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[エッセイなど] 「諸宗教のインターネット利用」 『神社新報』2481号、1998年10月26日。 [全文(text/html)]
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[口頭発表] 「インターネットと宗教教団」 日本宗教学会第57回学術大会、1998年9月。 [配布資料(text/html)]
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[パネリスト] 研修会「神社界インターネット利用の現状と未来―人文系のパソコン利用―」 ShrineNet・神社オンラインネットワーク連盟共催、於矢先稲荷神社、1998年8月20日。 [配布資料(text/html)]
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[エッセイなど] 「〈私の研究視点〉デスクトップ宗教学は可能か」 『国際宗教研究所ニュースレター』第17号(97-4)、1998年1月。 [全文(text/html)]
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[口頭発表] 「メディア・リテラシーと宗教をめぐる予備的考察」 「宗教と社会」学会「情報時代と宗教」プロジェクト合宿、1996年8月。
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