ディック・パウンテン、デイヴィッド・ロビンズ『クール・ルールズ』

(2018-03-07)

ディック・パウンテン、デイヴィッド・ロビンズ『クール・ルールズ』鈴木晶訳、研究社、2003年。

2人のイギリス人のジャーナリストによる本。刊行当初に買って、ずっと積ん読になっていたのをようやく読み終えた。

西アフリカで発祥した態度・価値観がアメリカの奴隷制度下で労働倫理に対する抵抗の姿勢に受け継がれ、それがやがて中間層を受容者とする消費資本主義にまで流れ込んでいく、という歴史的な叙述と、古い道徳観を相対化し被抑圧者との連帯を表明するだけでなく、仲間内での抗争や、暴力・犯罪をも肯定するといった負の側面も持つといった分析からなっている。

この本が描きだす〈クール〉という態度やそれをとりまく文化に自分もどっぷり漬かって生きてきたことがわかる。その先の展望にも興味が湧く。

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