ジャック・ランシエール『無知な教師 知性の解放について』

(2016-04-16)

ジャック・ランシエール『無知な教師 知性の解放について』を読む。

ジョゼフ・ジャコトという、18〜19世紀のフランス、オランダに生きた教師の教育法についての本。

ふつう教師は知識において生徒よりも優位に立ち、どこまでもその溝を穿ちながら、教師のもつ知識を生徒に伝授するものと考える。

しかしジャコトは、自分が知らないことでも生徒に教えることができると考え、そのように実践した。生徒が知りたいと思う何かのモノを与え、それを暗唱し、模倣し、そこから何が導き出されるかを考えることを促す。教師のやることは生徒が注意力を保ってこれを行うよう指示すること。ジャコトがこれでうまくいくと考えたのは、「知性の平等」を信じていたから。

思えば、13年前に「神社ネットワーク論」を担当し始めたときは、私もまさに「無知な教師」だった。ここ数年、そうは思わなくなってきていた。新年度早々に原点に回帰するきっかけを得られた。

タグ: 書評, edu

タグ 書評 を含む記事

タグ edu を含む記事