日本宗教学会第67回学術大会、終了

(2008-09-16)

9月13日から15日にかけて筑波大学で開かれた、日本宗教学会第67回学術大会が終了した。

今回は、14日午後のパネル「現代日本における地域活動と宗教文化の活用―神道と福祉の接点―」(代表・藤本頼生氏)に発表者として参加したことが、自分にとってのメインイベントだった。

学会というところは基本的には、研究者どうしが相互批判をすることで、研究水準の質保証をする場だと思う。今年6月の「宗教と社会」学会で、ちょっと甘い質問をしたことで、後で間接的なお叱りをいただき、あらためてそのことを再認識したのだった。しかしそれだけではなく、新しい研究の萌芽を展望したり、社会に開かれた視野を導入することも、学会の重要な使命ではないかと思う。

その点で、今回参加したパネルは、副題にある「神道と福祉の接点」という、これまで櫻井治男先生、藤本頼生氏、板井正斉氏を中心に研究が重ねられてきた分野を、祭礼、観光、まちづくりといったところにまで少し幅を広げて、神社神道の社会貢献を探究しつつ「福祉」概念の問い直しを行うための研究の「資源」(これもキーワードであった)をふくらませる意義があったのではないかと思う。などとえらそうに言ってみたが、自分の研究についても、これからやらなければならないことが多いということである。

それから、コメンテーターにNPOちんじゅの森の中尾伊早子氏をお呼びして、ご活動の現場で重視されてきたことや気づきを、それぞれの発表内容にリンクするコメントをいただいたこともたいへんありがたかった。しかし逆に中尾さんはさぞや窮屈な思いをされたのではないかと思う。

1日目のシンポジウムは所用のため参加できなかったが、他のパネルや個人発表も、休みなく聴いて回った。さすがに疲れた(腰が痛い)けれど、いろいろとヒントになることが多かった。

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