濱田武士『漁業と震災』

(2013-03-23)

濱田武士『漁業と震災』(みすず書房)読了。

「海や魚と関わる経験から培われてきた職能をもった生身の人間」(p.300)を核とする社会関係のなかに漁業をとらえて、東日本大震災での漁業の被災と復興の現況、問題点を緻密に検証した本。

震災復興の要とも言える漁業について自分がごく断片的なことしか知らなかったことを思い知らされた。

自然と関わる人間の営みを尊重しつつ生産・加工、流通、消費の信頼関係を取り戻すための取り組みが今後ますます重要になってくる。その意味では、積ん読になっているけれど、五十嵐泰正+「安全・安心の柏産柏消」円卓会議『みんなで決めた「安心」のかたち ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』(亜紀書房)とも問題意識が共通しているかもしれない。

こうした信頼関係の再構築に文化、宗教がどう関わっていくのか、についても考えていきたい。

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